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2010-02-09

社会的痛みに関する症例

 身体的な怪我だけが痛みの原因ではない。Danziger & Willer (2005)が注目すべき症例を報告している。生まれつき無痛覚症の女性で、彼女は骨折や火傷、虫垂炎、無麻酔分娩でも痛みを感じたことのない。さらに心理的にも苦痛を感じることがない。しかし、彼女の弟が交通事故で亡くなったときに、その女性は激しく悲しみ、頭痛に悩まされたが、これが彼女にとって最初で、また唯一の痛み経験であった。極端な例ではあるが、社会的なつながりに対する脅威が怪我などによって賦活する生理学的な機構を介して社会的痛みを生起させることを示唆する最近の知見と一致している。
Danziger, N. & Willer, J. C. (2005). Tension-type headache as the unique pain experience of a patient with congenital insensitivity to pain. Pain, 117, 478-483.

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