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2011-06-28

正常脳機能の発達と維持における安静時活動

Resting-state activity in development and maintenance of normal brain function
www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.1109144108

ボスから紹介されたPNAS論文。タイトルからではわからないが,ケースリポート。5歳児のてんかん患者を対象に,術前後の機能的結合を評価している。相関マトリックスをみると,術前では非常にばらばらで雑然としていたのが,術後では安静時ネットワークに対応した機能的結合がしっかり出てきてメリハリのあるマトリックスになっているのが一目瞭然。ここまでクリティカルに変化するとすごいの一言。と同時に臨床応用の有効性をさらに実感した次第。

2011-06-27

An FMRI investigation of attributing negative social treatment to racial discrimination.

J Cogn Neurosci. 2011 May;23(5):1042-51
Authors: Masten CL, Telzer EH, Eisenberger NI
Eisenbergerのところから。タイトルのみもめん。

2011-06-24

Logicool Wireless Combo MK260

机の上が散らかるので,すこしでもましにしようと思い,ワイヤレスのキーボートとマウスのセットを導入。以前もワイヤレスを使っていたがその時のは大きすぎた。今回は小さいタイプ。キーが浅いのとマウスが軽すぎるのにまだ慣れない。しかしレスポンスは非常に良好。しばらく使ってみることにする。

一段落

Inter-individual discount factor differences in reward prediction are topographically associated with caudate activation.
Exp Brain Res. 2011 Jun 22;
Authors: Onoda K, Okamoto Y, Kunisato Y, Aoyama S, Shishida K, Okada G, Tanaka SC, Schweighofer N, Yamaguchi S, Doya K, Yamawaki S.

実験開始から3年半年ぐらい。投稿開始から1年半,間に移動があったとはいえ,こんなに論文化するのに時間がかかったのははじめてだろうか。宿題が1個片付いて気分的には多少楽になった。次はrsfMRIか。

2011-06-22

デフォルトモードネットワークと脳波のアルファ摂動:独立成分分析

The default mode network and EEG alpha oscillations: An independent component analysis.
Brain Res. 2011 May 27;
Authors: Knyazev GG, Slobodskoj-Plusnin JY, Bocharov AV, Pylkova LV

安静時,自己関連課題及び社会的ゲーム課題時のアルファ波に対して空間的にICAを適用。電流源推定にはsLORETA。安静時と社会的ゲーム課題時にアルファ帯域の空間的パターンがDMNに一致。内的なメンタルプロセスの同期が,アルファ摂動に反映されているかもとご考察。脳波でも安静時ネットワークに対応するものが分離できそうだけどDMN以外もいけるのか?

2011-06-20

デフォルトモード安静時結合の強度は子供における白質の完全性と関連する

Strength of default mode resting-state connectivity relates to white matter integrity in children.
Dev Sci. 2011 Jul;14(4):738-51
Authors: Gordon EM, Lee PS, Maisog JM, Foss-Feig J, Billington ME, Vanmeter J, Vaidya CJ

DMNを発達の観点からみた模様。9-13歳の拡散強調画像と安静時機能的MRIを測定。ICAで安静時ネットワークを同定。MPFCとPCC間の結合が帯状白質路の成熟と関連するかどうかを検討している。さらに,実行制御ネットワークの両側のLPFC間の白質路の成熟と関連しているかどうかも検討。MPFC-PCCの結合と帯状白質路の成熟は正の相関し,さらにこの関係は年齢によって調整されていた。一方で両側のLPFCの結合性と白質は関連が認められなかったが,認知処理の速さ,流暢性などとは関連がみとめられた他模様。DMNは特に思春期に成長するのだろうか? 自己意識の絡みから考えると発達心理の人たちが興味をもちそう。

2011-06-16

急性社会的ストレスの彼方に:扁桃体と皮質正中構造の間の機能的結合の増加

Beyond acute social stress: Increased functional connectivity between amygdala and cortical midline structures.
Neuroimage. 2011 Jun 2;
Authors: Veer IM, Oei NY, Spinhoven P, van Buchem MA, Elzinga BM, Rombouts SA

社会的ストレスを付加した一時間後に,安静時fMRI測定。統制群と比較し,社会的ストレスを受けた群では扁桃体と,PCC,Precuneus,MPFCとの機能的結合が増加したいた模様。これはすべてDMNに含まれるのは重要でしょう。ストレスを受けるとDMNと扁桃体の結合は強まる! ただ,どういった機能を反映した結合性の増加なのかは,もっと詳細に検討する必要があると思われる。著者達は自己関連処理によるトップダウンコントロールだろうって解釈している模様。この解釈はあまりしっくり来ない。DMNをトップダウンと関連づけるのは違和感がある。

2011-06-14

安静時機能的結合は子供と大人のリーディング能力の指標となる

Resting-state functional connectivity indexes reading competence in children and adults.
J Neurosci. 2011 Jun 8;31(23):8617-24
Authors: Koyama MS, Di Martino A, Zuo XN, Kelly C, Mennes M, Jutagir DR, Castellanos FX, Milham MP

両群において,FCは左中心前回と他の運動領域の間でリーディングスコアと正の相関を示した。特にブローカとウェルニッケとの相関も同様。大人ではFFGと音韻関連領域とのFCがリーディングスコアと正の相関を示し,FFGとDMNのFCとは負の相関を示しましたよと。へー。

2011-06-13

抗うつ薬は健常者における皮質下-皮質の安静時機能的結合を低下させる。

Antidepressant medications reduce subcortical-cortical resting-state functional connectivity in healthy volunteers.
Neuroimage. 2011 May 27;
Authors: McCabe C, Mishor Z

40人の参加者にSSRIかSNRIか,プラシーボを7日間,二重盲検法により投与して,rsfMRIを測定。解析はシードベースで,ROIは右の側坐核,扁桃体,ACC,MPFC。主観的Moodにはグループ間で差はなし。扁桃体とvMPFC間の機能的結合がSSRIにおいて有意に低下し,扁桃体とOFCの結合はSNRIで低下。線条体-OFCの結合もSNRIで低下。これらの結果は抗うつ薬治療はMoodの変化とは独立して,感情や報酬の処理に関する領域の機能的結合を低下させることを示している。うつ病患者で見られる機能的結合の上昇を抗うつ薬はノーマライズしてるのではとの結論。

2011-06-07

脳梗塞後の運動回復中における安静時機能的結合の長期的変化

Park et al., 2011 Longitudinal changes of resting-state functional connectivity during motor recovery after stroke. Stroke, 42,1357-1362.

脳梗塞患者12人の安静時fMRIを半年間で4回とって運動回復との関連を検討している。梗塞すぐと一ヶ月後において,左右M1の機能的結合における側性が高まっていた。要するにM1同士の結合は低下していた。三ヶ月後と6ヶ月後では健常者と有意な差はないぐらいにまで機能的結合は回復したといってよいのだろうか? 病側M1と対側のいつくかの領域の機能的結合が運動機能改善と相関していた。なぜに対側なのかはなぞ。がっつりやるなら,健常者も半年おっかけんといかんところ。よくStrokeにのったなという感想。

2011-06-06

グラフ理論,及びDMNへの覚醒度の影響に関するメモ

やっとシンポも終わり,気分的には落ち着く。
学会で仕入れた情報を忘れないうちにメモっておく。

グラフ解析では,ノード数に大きく影響を受ける可能性があり,90ROIは微妙らしい。
ご教示いただいた先生は6x6x6でやっており,これだと3700ぐらいだったけか。
モジュールQは重要そう。ICAで分離したネットワークと大枠一致して出てくる。

DMNのコアリージョン間の結合性は覚醒度の影響を受けない模様。
神経画像マーカーの開発を鑑みると,覚醒度に影響を受けない指標ってのは非常に重要。

2011-06-04

麻酔下のDMN

[Anesthetic mechanisms revealed by functional brain imaging].
Masui. 2011 May;60(5):566-73
Authors: Kurata J

麻酔下ではDMNの機能的結合は抑制される。

2011-06-02

脳内EEGとBOLD信号変動によって評価されたヒトてんかんネットワークの発作中の機能的結合

Interictal Functional Connectivity of Human Epileptic Networks Assessed by Intracerebral EEG and BOLD Signal Fluctuations.
PLoS One. 2011;6(5):e20071
Authors: Bettus G, Ranjeva JP, Wendling F, Bénar CG, Confort-Gouny S, Régis J, Chauvel P, Cozzone PJ, Lemieux L, Bartolomei F, Guye M

タイトルしかみてないけど,なんか重要そうなのでもめ。