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2010-04-13

意志決定研究における脳イメージング技術とその応用

Brain Imaging Techniques and Their Applications in Decision-Making Research.
Xin Li Xue Bao. 2010 Feb 3;42(1):120-137
Authors: Xue G, Chen C, Lu ZL, Dong Q

意志決定研究の今後の方向性と問題に関していろいろと議論されている。
一つは、イメージング研究と損傷研究との合わせ技が必要。これはイメージングは賦活領域を示してくれるけど、必ずしもその領域が課題遂行に必要ではないことがあるから。ストループ課題ではACCが賦活するけど、ACC損傷患者ではストループ課題遂行が障害されないことが報告されている。
二つ目は、逆転推測の問題。“課題Aで領域Zが賦活する→領域Zは課題Aに関連すると結論”これは典型的な推測。“領域Zは課題Xで賦活し、以前の研究において領域Zは課題Aに関連することが示されている→課題Xは認知過程Aを含むと結論”。この逆転推測は“領域Zが認知過程Aだけに関連する”という仮定によって保証される。が、そんな保証はどこにもない。著者らはこの問題の解決にパターン解析が使えるのではないかと主張している。
三つ目は、実験状況と日常場面における乖離。実験上の制約をみたしつつ、より現実場面に近い実験パラダイムが必要。
四つ目は、精度の向上。
これらのことが意志決定に関する神経経済学に求められる。
一つ目と二つ目に関してはテーマに関係なくイメージング研究全般にいえる。

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