Leby & Bubois(2006)より一部抜粋
うつとアパシーの鑑別には臨床的にも概念的にも難しい。WHOによればうつは少なくとも2週間継続する気分低下と顕著な興味や喜びの消失,それから自信喪失,罪悪感,自殺念慮,集中力低下,睡眠障害のいずれかに関連した活動低下,食欲や体重の変化で構成される症状と定義される。アパシーはうつの臨床基準を満たさないが,うつ状態の一つの臨床的形態ではある(Marin et al., 1993, 1994)。うつがアパシーを引き起こすメカニズムは全く明らかになっていない。しかし,うつ病における認知的制御に基づく自発的行動の生成は健常者よりも努力を要することが示されている(Hartlage et al, 1993; Harvey et al, 2005)。安静時では,うつ病患者背外側前頭前野の低代謝が示されており(Drevets, 2000; Mayberg, 2003),対照的に内的なガイダンスに基づく行動の生成に重要な領域である前帯状回(subgeneral portion, Goldman-Rakic, 1987)が高代謝を示していた(Drevets, 2000; Mayberg, 2003)。このようにうつにおけるアパシーは(i)感情的でネガティブ状況への顕著な感受性,もしくは(ii)活動を行う意思に限った快感消失を介した感情的,情動的処理の変化の結果というのはありえる。しかし,アパシーはいくつかの異なるメカニズムの結果で起こるが,感情あるいは情動の処理の異常によってのみでは生起しない。加えて,アパシーはうつとは独立して起こることがあり,多くの神経疾患においてアパシーはうつの結果として出てくるものではない。またアルツハイマー病やパーキンソン病などのアパシーとうつが共在する疾患においては,他の兆候や症状との関連や損傷領域において違いが示されている(Marin et al,. 1994; Levy et al, 1998; Anderson et al, 1999; Kuzis et al., 1999)。つまり,アパシーはうつで観察されうる症状で春が,うつなしでも起こることがあり,臨床的も解剖学的もそれらは独立しているかもしれない。
Landes et al.(2005),Tagariello et al.(2009)より一部抜粋
アパシーの症状: 感情反応の鈍麻,興味の消失,自殺念慮,無頓着,精神運動遅延
共通した症状: 抑鬱,社会的活動への従事が少ない,疲労/睡眠過剰,絶望,始動消失
うつの症状: 洞察力の欠如,自己批判,粘り強さがない,厭世観,罪悪感
↑ この分類には納得いかん。
基本的にはネガティブムードの有無がアパシーとうつの区別には一番重要か。。
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